平成17年12月に公表された国税調査の速報値では、初めて日本の人口が1万9千人減少し日本は「人口減社会」に突入しました。合計特出生率(1人の女子の一生に生む子供数の推計、2であれば人口が保たれる)もさらに減少し、高齢社会が始まっています。高齢者の疾病が増加し、認知症や身体疾患に伴った精神障害が増加しています。その一方で、高齢者、特に認知症を有する身体疾患を持つ方の受け皿がなく、多くのご家族が途方にくれている現状があります。また、介護疲れや人間関係のストレスから、うつ病や神経症などの増加を肌で感じます。 このような社会情勢の中で、当院は平成11年4月1日から「日下部記念病院」と名を改め、また、平成18年10月1日に新病棟も完成し再出発いたしました。現在当院では、認知症、合併症の対応、さらに、精神疾患としては従来の統合失調症中心ではなく、うつ病、神経症といった幅広い疾患への対応をおこないます。ハード面の整備も終わり、平成18年10月から新しい姿で医療を提供しています。併設する加納岩総合病院へのコンサルテーション・リエゾンサービス、社会復帰、地域支援を考えたデイ・ナイトケア、認知症対応のデイ・ナイトケアを運営しています。 平成20年7月には日本医療機能評価機構の認定病院になり、さらなる医療体制の充実、教育制度、安全対策などにも積極的に取り組んでいます。クリニカルパスも導入し、成果を挙げています。 患者様を中心に、病院のスタッフが地域の皆様とひとつのコミュニケーションをつくり、お互い支えあって健康をめざしてゆく、そんな病院を目指しています。
院 長 久保田 正春 |
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